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「少年のアビス」2巻 感想・考察 町の呪縛に囚われた女性たち

少年のアビス1巻、面白かったー!

にゃん
レイラ

このまま2巻も読んでみて!

今日は「少年のアビス」2巻について紹介します。

ちなみに1巻については、「少年のアビス」1巻 感想・考察 17歳にして世界に絶望する少年でまとめています。

マンガをお得に読みたい方は、こちらのページもチェックしてみてくださいね。

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本記事はネタバレを目的としたものではありませんが、感想を述べる過程で一部、作品の内容に触れている箇所があります。作品の内容を知りたくない方は、ホームへお戻りください。

作品の紹介

『少年のアビス』は峰浪りょう先生による漫画作品で、2020年13号から週刊ヤングジャンプに連載中です。

2022年9月からドラマ化もされ、累計発行部数は100万部を突破した大人気作品です。

あらすじ

田舎町での鬱屈とした日々に、絶望を抱きつつ生きていた十七歳の高校生、黒瀬令児。

ある日、憧れのアイドル、青江ナギが令児の前に現れます。二人の出会いは令児にどのような影響を与えるのか。

高校の先生、幼馴染、家族、令児を取り巻く全ての人が堕ちていく…。ダークなヒューマンドラマです。

登場人物

黒瀬令児

17歳の高校生。家族に縛られて、自分の将来に希望を持てないでいる。青江ナギのファン。

青江ナギ

アイドルグループであるアクリルのメンバー。

秋山朔子(チャコ)

令児の幼馴染で東京の大学に進学を希望している。似非森の小説のファン。

柴沢由里(柴ちゃん先生)

令児の担任で、令児は進学するべきだと考えている。

黒瀬夕子

令児の母親。家族の介護や仕事に忙殺されている。

峰岸玄

令児の幼馴染で地元の土建屋の跡取り息子。令児をパシリにしている。

似非森浩作

チャコがはまっている作家。夕子とは知り合い。

感想

覚醒する柴ちゃん

令児の絶望漂う日々にナギの登場という衝撃で幕を閉じた1巻。

2巻は令児の担任である柴ちゃんにかなりスポットが当たっていました。

当初は爽やかで品行方正な若手女性教師といった印象だった柴ちゃんですが、とある夜に令児とナギを助けた日から、明らかにおかしくなっていきます。

ナギの登場によって、歯車が動き出したのは令児だけではないのだと感じました。

柴ちゃんの令児に対する行動は虐待に違いないのですが、彼女の正義感あふれる表情からは罪悪感のようなものは感じられません。

それどころか特殊なシチュエーションに身を置いた自分に酔っているような印象でかなり強烈です。

うわー、先生と生徒の…って感じ?

にゃん
レイラ

いわゆる教師と生徒の恋愛ものとは全く違うの。何をしたかは作品を読んでみてね!

柴ちゃんは悪気がないつもりだったとしても、やってることはグルーミングでは?と思いました。

堕ちていく令児

令児を助けるような素振りで近づいてきた柴ちゃんですが、彼女の行っていることは犯罪でしかありません。

そんな状況に違和感を覚えているのか、いないのか定かではない様子の令児。

家庭環境も複雑な令児は、大人からの行動が正しいものなのか正常な判断ができないのではないかと感じました。

大人が未成年と関係をもったら、理由が何であれ犯罪だよ。こんなの間違ってる!

にゃん
レイラ

その通り。令児が自分を本当に大事にしてくれる人がどんな人か判断できない点には、母親の夕子がかなり影響してるんじゃないかな。

夕子と玄

令児の幼馴染で町の土建屋の息子である玄。この玄と令児の母親である夕子、二人の関係にも何やら裏がありそうです。

普段は美人な夕子が家にやってきた玄を見るときの恐ろしい表情に注目してみてください。

夕子と玄のコンビは、かなり今後の物語と令児に影響を与える重要キャラです。

玄ってかなり令児に執着してるよね。鬱陶しい!

にゃん
レイラ

令児に執着してるというところが夕子と玄の共通項ね。

二人の関係にどんな裏や過去があるのか予想しながら読んでみてください。

チャコと似非森

もう一人、注目すべきは令児の幼馴染であるチャコ

チャコと商店街の店を経営する父親との会話は、あまりにも女性蔑視的でかなり読んでいてイライラしました。

古いジェンダー観と将来も町で生きることを強制しようとする父親に当然反発するチャコでしたが、まだ高校生のため一人で大きな行動を起こすことはできません。

唯一の楽しみである似非森の小説に触れながら、チャコもまた令児と同じように不満を抱えているのだと感じました。

娘の将来を制限する権利があると思っているのだとしたら、お父さんそれは間違いだよ。

にゃん
レイラ

今はそんな時代じゃないものね。

2巻の中でチャコも似非森と実際に出会います。このことがチャコの人生に大きな影響を与える気がしました。

令児とナギ、チャコと似非森の関係の対比に注目してみると面白いです。

まとめ

ナギの出現によって、動き出した物語。少しずつ歯車の回転が令児の周囲の人にも伝わっていきます。

ジェンダーグルーミングなど現代における社会問題についても考えさせられました。

話は重いですが、綺麗な絵でとても読みやすく、キャラクターにもどこか愛着が湧き、先の気になる作品です。

レイラ

『少年のアビス』2巻、ぜひ読んでみてくださいね!

次巻、3巻のまとめは「少年のアビス」3巻 感想・考察 令児とチャコの告解です。

お得にマンガを読む方法を知りたい方は、こちらの記事をチェックしてくださいね。

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